「自他共栄」という言葉をご存知ですか?
相手を敬い感謝することで、
信頼し合い助け合う心をはぐくみ、
自分も他の人も共に栄える世の中にしましょう
という意味です。
柔道をされる方には馴染みの深い言葉ですね。
講道館柔道の創始者である嘉納治五郎先生が、
指針として掲げられたのが「精力善用」「自他共栄」です。
「精力善用」は、
柔道の持つ「柔よく剛を制す」という力を、
相手を倒したり威圧したりするためだけに使うのではなく、
自分の周りや社会のために善いほうへ用いましょう。
という意味です。
まさしく「人間力の上に能力」ということですね。
柔道だけが強ければいいというわけではない。
ということをはっきりと示されています。
嘉納治五郎先生は、
「柔道の父」であるだけではなく、
日本人初のIOC(国際オリンピック委員会)委員であり、
「日本の体育の父」でもあります。
私たちが今、当たり前のようにスポーツができるのも、
オリンピックに参加できるのも、
嘉納先生のおかげですね。
オリンピックに出場するような選手の方は、
人間的にも素晴らしい方が多いです。
人間力が高い人が競技力も高くなっていくとも言えますし、
競技力が高くなるにつれ人間力も磨かれていくという側面もあるでしょう。
子どもたちには「競技力」の面だけを見てお手本にするのではなく、
「人間力」の面も一流選手をお手本にしてほしいものです。
改めて「精力善用」「自他共栄」を心の中に刻みましょう。
まじめ・前向き・一生懸命が、もっと輝くように。