「若い選手たちに、オリンピックの緊張感を感じさせてあげたい。」
ソフトボール日本代表のレジェンド、
上野由岐子選手の言葉です。
北京オリンピックの金メダルは衝撃でした。
「上野由岐子の413球」
テレビの前で正座して、全部観ていました。
堂々と真っ向から勝負する姿に、
日本中が感動しましたね。
その裏で、彼女もやっぱり緊張していたのです。
その貴重な経験を若い選手たちにもさせてあげたいというのが、
周りの人を大切にする上野選手らしい言葉です。
オリンピック以外にも世界大会はあります。
日本代表としての特別な緊張感があるでしょう。
それらを知った上でもなお、
「オリンピックだけの特別な緊張感」
がそこにある。
選ばれた者、選ばれるに値する努力をした者だけが知る、
特別な緊張感はきっと何物にも代え難いものなのでしょう。
ソフトボールの日本女子リーグ決勝トーナメントで、
上野由岐子投手がノーヒットノーランを達成しました。
決勝トーナメントでのノーヒットノーランは、
10年ぶり2回目だそうです。
初回に味方がホームランを打ったことから、
「相手投手が打たれたのを見て、慎重に試合に入ることができた。」
ということです。
味方が打ったのを、相手投手側から見ているのがさすがです。
恵まれた身体。
鍛えられた筋肉。スピード。技術。
加えてメンタルの強さ。
あの勝負強さは、
大胆さだけではなく慎重さも兼ね備えているからこそですね。
「最高のイメージを作り、最悪の事態を想定して、楽観的に事にあたる」
大一番に臨む際の必須事項です。
北京オリンピックの後、
ソフトボールはオリンピック種目からはずれていましたが、
東京オリンピックで3大会ぶりに復活します。
特別な緊張感の中、
強豪アメリカを破って金メダルを手にする姿を、
この目に焼き付けたいものです。