私は人より遅く剣道をやり始めて、
なかなか基本ができず苦労しました。
基本とはいえいろいろな要素が組み合わされており、
それを一連の動作として一気にやらなければならないので、
全部をきとんちやるのはとても難しいのです。
正しい姿勢で構える
竹刀の握り方を正しくする
真っ直ぐ振りかぶる
手と足を合わせる
竹刀を正しく振る
相手の面を打つ
あちらを立てればこちらが立たず…。
ではないですが、全部をうまくやることができなくて、いつも怒られていました。
細かい要素に分けて練習し、
ひとつひとつができるようになってから徐々に合わせる方がいいですね。
小さい子供さんたちと一緒に剣道の稽古をしていると、
幼稚園や小学校低学年の、
まだまだ身体ができていないお子さんも来ておられます。
自分の身体をうまく動かすことができない上に、
『竹刀(しない)』という竹製の刀を持って動かすために、
なかなかスムーズには動けません。
竹刀はほんの数百グラムほどのものですが、
小さなお子さんにとってはかなりの重みを感じるもの。
自分が苦労しただけに、
「細かく分けて教えてあげたいなぁ…」と、思います。
何をする時も同じですね。
最初から複雑なことをやるのは合理的ではありません。
小学1年生にいきなり分数を使った文字式の計算を教えませんね。
まず足し算をやり、
次に引き算をやり、
掛け算を身につけてから、割り算をします。
それから分数の計算です。
分数の足し算・引き算をやり、掛け算・割り算を習います。
そして、中学校に行ってから文字式の計算を習います。
ひとつひとつ細かい要素に分けて練習してから組み合わせますよね。
何事もそれと同じです。
目標を達成するための行動は、要素を細かく分けてみましょう。
要素を分けた上で「身に着いた」と思えるまで数をかけて練習し、
できる自信がついてから、組み合わせていくのです。
形を身につける目的の時は、道具は無理のない軽いもので。
筋力をつける目的の時は、本人の筋力に応じた適切な重さのもので。
形が身につき、筋力もついてきてから両方を同時にやるのです。
単純な基礎基本を細かい要素に分けて、
ひとつひとつきちんと身につけることが上達への近道です。
まじめ・前向き・一生懸命が、もっと輝くように。