「まったく何度言ったらわかるんだ!」
部下の行動や結果にイライラを抱えているあなた。
憤りはわかります。
怒鳴りたい気持ちもわかります。
でも、どんなに怒ったところで部下は変わりません。あなたは毎日毎日部下を怒っていたいですか?そうではないですね。「できる部下」に変わって欲しいのですよね。ただ、人を変えるのには関わり方を変える必要があります。あなたの言葉のかけ方を少し変えてください。
例えば、小学生の子供に、
「もっと勉強しろ!」
と言えば勉強するようになるでしょうか?
その場では、
「わかった。勉強頑張る」
と、言います。
怒られ続けるのがイヤだからです。
部下も言います。
「わかりました。もっと頑張ります。」
怒られ続けるのがイヤだからです。
でも、「〇〇を頑張る」とか「もっと頑張る」では行動は変わりません。これまでに何度もそう言ったのではありませんか?それでも変わらなかったから、余計にイライラするのですよね。
「頑張る」という言葉は意気込みであって、具体的に何をどうするとはまったく言っていないのです。本人は「何を」「どのようにすればいい」のか考えないまま言っています。だから、行動が変えられないのです。同じ間違いをしてまうのです。結果が変わらないのです。
あなたの方から、
「どうすればいいか、一緒に考えてみよう」
という言葉、姿勢を示しましょう。
できない部下の行動を変え、結果を変えるために、どんな関わり方をすればいいかを書いてみました。
目次
1.明るい未来を考えさせる
「自分はどうなりたいか?」
「自分がどうなれば、組織に貢献できるか?」
を考えさせてみましょう。
部下に対して「~できなかったら△△するぞ!」というような言葉かけをしていませんか?これは、ある意味脅しです。「手を挙げろ!さもないと打つぞ!」と同じです。自分が脅されて嬉しいか、脅されたら気持ちよく動けるのか、考えてみてください。脅されて嬉しいはずはありませんね。
では何故そのような言葉かけをするのでしょう?
ひょっとすると、単なる習慣かもしれません。あなた自身が子供の頃からそういう言葉かけをされてきたからかもしれません。「こんな問題ができないようでは合格しないぞ」とか「いい大学に行かないと就職できないわよ」とか。言われた覚えはありませんか?
自分では脅しているつもりなんてないのに、無意識にそのような言葉を使ってしまっているとすれば、単なる習慣です。そういう言い回しをすることが身についてしまっているのです。そのために、知らず知らずのうちにパワハラをしている可能性もあります。できれば意識して変えていきましょうね。
「~できなかったら△△するぞ!」
と言いたくなったら、一呼吸置いて、
「~できるようになったら、どんないいことがあるかな?」
「そうなったら気分よく働けるんじゃないかな?」
というように言葉の使い方を変えるだけでも、受け取る相手の思考と行動は変わります。
2.現状を分析する
2-1 今やっている内容を具体的にする
何を、どのようにやっているかを具体的に文字にして書き出しましょう。やっている内容があまりにも的外れであれば、行動していても結果につながらない可能性が高いです。「ムダな動きが多い」か、もしくは「狙いは合っているがやり方がまずい」かのどちらかです。「何もやっていない」のであれば、やる内容を決めればよいのです。
サッカー選手になろうとしているのに毎日野球をしているとか、リフティングが3回しかできないけれどまったく練習していないとか、事実を直視することが重要です。
但し、ここでの目的はあくまで「現状分析」です。叱責するためではないということを肝に銘じてやってください。
2-2 やっている頻度やタイミング・期日を明確にする
やっている内容は悪くないけれど数が圧倒的に少ない。というケースもありますね。また、タイミングがまずいこともあります。相手が忙しい時期や時間帯に電話をかけると断られる場合が多いので、タイミングも大事な要素です。
2-3 成功と失敗の原因を明確にする
うまくいった時と失敗した時の違いを明確にしましょう。本人がそれをわかっていない場合、成功の確率は上がりにくいですね。うまくいくパターンを増やし、失敗パターンを減らすためには、わかっていることが重要です。うまくいったことがまだないのであれば、見本を示すのが一番でしょう。
3-3 改善策を見つける
ここまでやってくれば、どうすれば現状をより良くできるか考えられそうですね。一緒に改善策を考えてみましょう。
3.具体的で明確な「やるべきこと」を設定する
2-1 これからやる内容を具体的にする
何をやるか。どのようにやるか。何を目指すかを具体的にしましょう。現状分析を踏まえて適切に決めることが大切です。初心者がいきなり上級者にはならないのです。
小学生で言えば、
算数のドリルを1ページやる。
国語の教科書を2ページ音読する。
本人が「それぐらいならできそうだ。やってみようかな。」と思えるレベル設定です。
初心者が初級者になるように、「努力すればできそうな目標」を上手に設定するのが「いい上司・いい指導者」です。
2-2 やる頻度やタイミング・期日を明確にする
ここはとても重要です。何をやるかを決めても、毎日やるのか、週1回やるのか。週1回ならば何曜日なのか。何時頃なのか。いつまでにやるのか。こういう細かいことが決まっていないと動きにくいので、きっちり設定することで行動しやすくなります。
先ほどの例でいうと、毎日算数と国語の両方をやるのか、一日おきに交互にやるのか。朝起きてすぐやるのか、学校から帰ったらすぐやるのか、夕食後にやるのか。
できるだけ具体的に決めることで習慣にしやすくなります。
部下も同じです。できない人は、ああだこうだと悩んだり迷ったりしがちです。明確に決まっていないとできないのです。裏を返せば「決めたことはきっちりできる人」かもしれません。
2-3 できたかどうかをチェックしできたことを認める
当たり前のことですが、「できない人」は一人ではできないのです。最初のうちはきちんと報告させて、できたかどうかをチェックし、できたら認めることで成功習慣を身につけさせましょう。
「そんな面倒なことができるか!?」
いいえ。できます。報告といっても一言やりとりするだけでいいのです。
「〇〇できました!」
「よし、オッケー!」
これだけでいいのです。5秒で済みます。それであなたのイライラが解消され、部下が少しずつ変わっていくのなら結構な話ではないでしょうか。
心配しなくても習慣になったことは一人でできるようになっていきますから、徐々にあなたの手を離れていきます。
3.次の「やるべきこと」を設定する
ある程度できるようになったら負荷を上げましょう。一緒に考えてあげて、回数を増やすとか、内容を高度にするなどしてレベルを上げて行きます。ゲームの中で自分のレベルが上がると強い相手が倒せるようになり、どんどん楽しくなっていくのと同じことです。適切な負荷で仕事が楽しくなってくると、放っておいてもどんどん成長し成果を上げるようになります。
いい循環を回すことを意識しましょう。
まとめ
「できない部下」をできる人に変えていくために、あなたの方から関わり方を少し変えてみましょう。
1.明るい未来を考えさせる
2.現状を分析する
3.具体的で明確な「やるべきこと」を設定する
いい循環を回すことで、お互いがムダなストレスをためることなく気持ちよく仕事をし、尚且つ成果を上げていきましょう。
まじめ・前向き・一生懸命が、もっと輝くように。