「このままではまずい」
「どんどん悪い状況になる」
そんな時、チーム全体のムードが沈んでしまうことがありますね。
外から見ていると明らかに流れが悪くなっているのに、何ともできずにそのままズルズルいってしまう例はよく見かけます。流れの変え方を知らない、もしくは練習していないのですね。
自分一人でやる競技なら、自分の気持ちを切り替える練習をしておけばいいのですが、チームとなると全体のムードを変えていく必要があります。
これができるチームとできないチームとでは、結果に大きな差がでてしまいますね。
ここで大事なことは「言葉かけ」「コミュニケーション」です。
悪い流れになった時、どのように「言葉かけ」「コミュニケーション」をすればいいのでしょうか。
ひとりひとりの「気持ち」が全体のムードになっていくので、基本的には「個人」の場合と同じです。
「どういう場面でどういう言葉をかけるか」想定して決めておき、「この言葉をかければ切り替えできる」と全員が腑に落ちていることが重要です。
1.悪い流れに気づく
まずは、気づくことが第一です。
普段から、どういう場面で悪い流れになるかを想定しておくと、すぐに気づくことができます。
・楽に勝てると思っていたのに苦戦している。
・先行逃げ切りの想定だったのに、先に点を取られた。
・勝ちパターンで進んでいたのにジワジワ追い付かれてきた。
・後半になって逆転された。
・声が小さくなって下を向いている。
等々です。
ある試合だけたまたまそうなるのではなく、試合の前から十分予想できることです。
「もし、こういう場面になったらこうしよう」と考えて練習しておけば、不安を軽減することができますね。
そして、その場面になったことに誰かが気づいて声をかけ始める。
そこが重要なのです。
プロのスポーツであれば、メンバーの中に試合経験が豊富なベテランがいて適切な声掛けをしてくれるということがあります。が、中学生や高校生ではそもそも経験が少なくて当たり前ですね。気づく練習が必要です。
2.悪い流れを断ち切るための「声掛け」をする
「ドンマイ!」
「顔上げよう!」
「これから、これから!」
大きな声を出して、顔を上げ、笑顔を作るだけでも気分は変わります。
「やばい…」「まずい…」そんな気持ちは身体に表れます。
顔が下を向く。
声が小さくなる。
その行動がさらに不安な気持ちを増長します。
なので、
誰かがまず気づいて声をかける。
続いて誰かが声をかける。
そうやって、「今、流れを変えるべきなんだ」と全員が気づき、
意識して流れを変えていく。
それを普段から練習しておきましょう。
試合で急にはできません。
3.目の前のプレーに集中するための「声掛け」をする
済んだことを切り捨てたら、今度は目の前のことに集中ですね。
今、やるべきことに集中するための「声掛け」をしましょう。
「集中!」
「攻めて行こう!」
など気持ちに関することでもいいですし、
「〇〇をしっかりやろう」
と、具体的にやるべきことを明確にしてもいいですね。
目の前のことに集中することで、現在の悪い状況から目をそらす効果もあります。
お互いがしっかりコミュニケーションを取って、前向きの気持ちでいつもどおりにプレーすることが重要なのです。
まとめ
対戦競技では「流れ」という言葉がよく使われます。
ある程度「流れ」があることは仕方がないのですが、相手の「流れ」のままズルズルいってしまう訳にはいきません。
悪い「流れ」を断ち切り、こちらに「流れ」を持ってくる方法を知っておきましょう。
(1)悪い流れに気づく
(2)悪い流れを断ち切るための「声掛け」をする
(3)目の前のプレーに集中するための「声掛け」をする
どんな場面でも、心の持ちようはパフォーマンスに影響します。
スキルやフィジカルの苦しい練習の成果がしっかり発揮できるよう、見えない「心」の部分の練習もしておきましょうね。
まじめ・前向き・一生懸命が、もっと輝くように。