「監督が僕を使ってくれない」
「コーチが私を見てくれない」
「先輩が自分にばかり厳しくする」
選手がこんなことを言っていたら、監督・コーチであるあなたはどう思いますか?
人のせいにばかりしていないで、自分を振り返って欲しいですね。
選手の気持ちもわからないではないです。
指示されて、まじめに一生懸命やって、
言われたとおりにやっているのにうまくいかない。
「ちゃんとやってるのに…」
と、愚痴や不満がでる。
でも、文句ばかり言っていても状況は変わらないんです。
監督もコーチも大勢を同時に見ていますから、
全員にきめ細かく指導したり手取り足取り教えたりするのは難しいですよね。
ゆっくり話をする時間もなかなか取れないでしょう。
なので、『日誌』なんです。
『日誌』を書くことで、自分で考えるクセをつけてもらいましょう。
書いて提出してもらうことで、今何を考えているかもよくわかります。
人は、与えられることに慣れてしまうと、自ら考えるということをしなくなります。
「この人の言うとおりにしていればいいんだな」
と、ある意味「楽」をします。
自分で考えないと「楽」ですから。
そして、うまくいかないと「与えた人」のせいにしてしまうのです。
小さな子どもがうまくいかないとママのせいにするのと同じですね。
自ら求め、自ら行動するように考え方を変えてもらいましょう。
自分はどうしたいか。どうするつもりなのか。
今はどういう状況なのか。
その差を埋めるために、自分は何をすればいいのか。
そういう思考ができるように、日々少しずつ書かせるのです。
自立のための『日誌』の書き方と考え方についてまとめてみました。
1.日々自分ができる小さな目標を設定する
与えられてやることではなく、自分が自分のためにやる目標を決めて書きます。
「自分で決める」ことに意味があります。
・朝〇時に起きる。
・起きたら自分の目標を声に出して言う。
・窓を開けて朝の空気を吸う。
・朝食前に〇〇のトレーニングを〇回〇セットする。
・昼食後に△△を△回する。
・練習前に□□を□回する。
・練習後に◎◎を◎回◎セットする。
・夕食後、食器を洗う。
小さなことでもいいので、自分で決める習慣を作ることが大事です。
2.できたこととできなかったことを仕分けする
一日の終わりには、決めたことができたかどうか振り返りをします。
これはできた。これはできなかった。〇か×かで仕分けしましょう。
・朝〇時に起きられた。→〇
・目標を声に出して言えた。→〇
・窓を開けて朝の空気を吸えた。→〇
・朝食前に〇〇のトレーニングができなかった。→×
・昼食後に△△を△回できた。→〇
・練習前に□□を□回できなかった。→×
・練習後に◎◎を◎回◎セットできた。→〇
・夕食後、食器を洗った。→〇
「できた」「できた」の積み重ねが大事なので、ちゃんと〇か×かで仕分けしましょうね。
3.達成できた自分を誉める
できたことを言葉にして誉めます。
・朝〇時に起きられて良かった。
・目標を声に出して言えて良かった。
・窓を開けて朝の空気を吸えて良かった。
・昼食後に△△を△回できて良かった。
・練習後に◎◎を◎回◎セットできて良かった。
・夕食後、食器を洗えて良かった。
できて良かったことがたくさんあると、自分を誉めることが増えます。
自己効力感が上がるのです。
また、「食器を洗う」など家族のためになるようなことは、「ありがとう」と言ってもらえて喜んでもらえるので、自己肯定感も上がります。
これが自信になっていきます。
4.できなかったことの改善策を考える
できなかったことは、反省したり後悔したりするのではなく、「もともう一度やり直せるならどうするか」改善策を考えましょう。
・朝食前に〇〇のトレーニングができなかった。→起きた後にスマホをいじってしまって時間がなくなったから、もしもう一度やり直せるなら、朝食前にスマホは見ないでトレーニングをする。
・練習前に□□を□回できなかった。→友達と話をしていて練習に行くのがギリギリの時間になってしまったから、練習時間の〇分前に行くように時間を意識しておく。
誰かに言われるのではなく自分で改善策を考え、それを意識して次の行動に活かすような思考ができるようになります。
5.明日の小さな目標を決める
一日の終わりに明日の目標を決めておきましょう。
今日とまったく同じでもいいですし、うまくいかなかったことを工夫してやり方ややるタイミングを変えてもいいですね。
大事なことは、「自分の成功パターンを作る」ということです。
いつもうまくいくことは、そのまま続けたりより負荷を上げたりする。
うまくいかないことは、どのようにすればうまくいくか工夫して自分なりの成功パターンを見つけていく。
この繰り返しが「自立」につながります。
まとめ
自分で決めることと、自分を振り返ることで、自分で主導し自分をコントロールできるようになっていきます。
(1) 日々自分ができる小さな目標を設定する
(2) できたこととできなかったことを仕分けする
(3) 達成できた自分を誉める
(4) できなかったことの改善策を考える
(5) 明日の小さな目標を決める
スキルやフィジカルのトレーニングと同じで、日々やることが重要です。
監督やコーチや先輩のせいにするのではなく、自分がどう変わればいいかを自分で考えられる選手に育ててあげましょう。
それが、選手の人生を変えることになるのです。
まじめ・前向き・一生懸命が、もっと輝くように。