「最後はメンタル」
「技術の勝負ではなく精神力の勝負」
などと言われるように、スポーツで結果を出すためにはメンタルの要素が重要であることはよく知られています。
問題なのは、メンタルの強さが「持って生まれた性格」によるものだと思われていること。
「アイツはメンタルが弱いからダメだ」
と、コーチや監督がダメ出ししていたり、
「自分はメンタルが弱い」
と自分であきらめてしまっていることがよくあります。
果たしてメンタルは「持って生まれた性格」だけで決まるものなのでしょうか?
そんなことはありません。メンタルはトレーニングで鍛えることのできるものです。
メンタルトレーニングをすることによって、ここ一番での実力発揮ができるようになり、練習のモチベーーションが上がり短期間で上達するなど、これまで「性格」や「資質」の問題と思われていたものが改善できるのです。
テニスの大坂なおみ選手は「メンタルが問題」と言われていましたが、メンタルトレーニングによって著しく競技力が上がりました。フィギュア・スケートの高橋大輔選手も若い頃は「ガラスのハート」と言われるほどメンタル面に脆さがありましたが、バンクーバーオリンピックでは、持てる力を十二分に発揮し銅メダルを獲得しました。技術・体力面の向上はもちろんですが、メンタル面が強くなったことも勝因の一つと言われています。
あなたがスポーツに楽しさだけではなく結果を求めているならば、メンタルトレーニングの価値をぜひ知ってください。メンタルトレーニングを活用して、あなたのパフォーマンスを最大限に発揮しましょう。
1.大事な場面で実力を発揮できるようになる
1-1 成功のイメージを作って試合に臨めるようになる
日々のイメージトレーニングで、成功のイメージを先取りすることができます。まるで、それはもうすでに起こったことであるかのように、脳内にイメージを作り上げてしまうのです。あとは、そのイメージを持ったまま本番に臨むだけです。
『成功のイメージを作るための「描き方の練習」5ステップ』はこちら
1-2 緊張する場面でプラス思考で臨めるようになる
大きな大会になればなるほどプレッシャーも大きくなります。そこで、「失敗したらどうしよう」と考えて萎縮するか、「絶対に成功させるぞ」と闘争心を持って前向きにチャレンジするかで結果が大きく変わります。「絶対に成功させるぞ」と思ってやる方が成功率は高くなるのです。
1-3 リラクセーションとサイキングアップをコントロールできるようになる
緊張する場面で自分をリラックスさせる方法を知っていると、過度の緊張状態から解放されます。また、リラックスしすぎてエンジンがかからない状態を防ぐためには、適度にサイキングアップする方法を知ることも重要です。普段から練習しておくことでコントロールできるようになるのです。
『スポーツで実力発揮するために必須の2大セルフコントロール法』はこちら
1-4 集中力が増す
スポーツに限らず仕事でも受験でも、「集中力」は必須の要素ですね。自分以外の事や過去の事に惑わされることなく、今、ここ、自分がやるべきことに集中することが、高いパフォーマンスを生み出すのです。
『ここ一番の集中力をつけるために普段からできること』はこちら
1-5 気持ちの切り替えが早くなる
何か良くないことが起こったときや、予想外のことが起こったとき、人はそれに捉われ引きずられていきがちです。何が起ころうともすぐに「切捨て」をして、やるべきことに目を向けるようトレーニングしておくことが重要です。
『実力発揮のための日常的なセルフトークの3ステップ』はこちら
1-6 悪い状況でも適切な声掛け・コミュニケーションができるようになる
自分一人でやる競技ではなく、チームでやる競技の場合、適切に声掛けをしたり、素早く状況を打破するためのコミュニケーションをする必要があります。これができるのとできないのとでは大きな違いがあります。
1-7 予測と準備の力が高まり本番の心理的準備ができるようになる
「メンタルが大事」というと、試合や大会本番のときのことだけを思い浮かべがちですが、実はそうではありません。その試合が決まった時からもう始まっているのです。起こり得ることを予測し、準備するトレーニングをすることで、より自信を持ってプレーすることができるようになります。あらゆることは「偶然」や「たまたま」で起こるのではなく予測することが可能です。
2.競技に対する態度や心構えが変わり上達が早くなる
2-1 目的が明確になり目標に向かう意欲が高まる
「何のために」その目標を達成しようとするのか?を明確にすることで、確実に達成意欲が高まります。自分にとって大事なことが見えてくるからです。そこをしっかりやることで日々の練習のモチベーションが上がり、同じ時間の枠内の練習でも練習の中身が濃く精度の高い練習となるのです。
『やる気が出ない時に思い出すべき目的・目標の4観点』はこちら
2-2 目標設定が上手になり達成習慣ができる
あまりにも遠く高い目標は、現実味がなく的確な行動に移しにくいものです。小学生が「プロ野球選手になる」という目標を立てたとするならば、実現するのは10年以上も先の話かもしれません。行動するためには逆算してくることが重要なのです。高校ではどうなる。中学ではどうなる。小学6年生の時はどうなる。そのためには今年、どうなる。今月中にどうなる。・・・と逆算してくることで、今日何をすべきかがわかり、達成する習慣ができるのです。
2-3 自分の強みを認め自信を持ってプレーできるようになる
人は、一人一人持って生まれたものが違います。もちろん練習でできるようになることも多くありますが、身体的な特徴などは自分で変えることができません。自分がもともと持っている資質を「強み」と捉えてそれを伸ばすことが大事です。「短所」「欠点」と思わず「長所」「強み」と見るのです。そこに焦点を当てて認めていくことで大きな自信が生まれます。
2-4 プラス思考になりできる前提で練習に取り組めるようになる
「どうせ~ない」と思いながら物事に取り組むと、「~ない」という現実が起こります。ある意味本人がそれを望んでいるのですから。そして「ほら、やっぱり~なかった」と、自分の思ったことを正当化します。それではどこまで行ってもうまくいきません。まず、「できる」という前提で物事を考えられるようになりましょう。
2-5 勝利意欲が高まり集中して練習に取り組めるようになる
「勝利意欲」は試合の時だけあればいいというものではありません。練習の時にどれだけ「本番」を意識して取り組めるかがカギなのです。普段のんびりダラダラ練習していて、本番だけ一生懸命やるというような気持ちでは、欲しい結果はなかなか得にくいですね。日々、勝利への気持ちを高めるようトレーニングしましょう。
『試合に勝つために普段の練習や生活の中でできるメンタル作り』はこちら
2-6 目的を持って練習に取り組めるようになる
日々の練習が始まる前に、まさか「今日は何やるんだろう?」「楽な練習だといいな」なんて思っていませんか?それでは練習の効果も半減してしまいます。「今日の練習では〇〇ができるようになるぞ!!」「今日は~するためにやるぞ結果を変えるために練習の目的と目標を自分で決めて取り組む!」という目的意識を持って練習に入ることが重要です。そういう心構えを意識して作っていくのです。
『結果を変えるために練習の目的と目標を自分で決めて取り組む』はこちら
2-7 失敗のパターンを繰り返さなくなる
人は自分の失敗をなかったことにしがちです。ごまかしたり、忘れたり、見ないようにしたりして、結局同じ失敗を繰り返してしまいます。失敗を直視して、同じパターンにはまらないようにする必要があるのです。同じ失敗をしないだけでも成功の確率はかなり上がります。
『自分の失敗パターンに気づくために敢えてやるべきこと』はこちら
2-8 失敗から学び改善できるようになる
失敗を直視できたら、「どうすれば改善できるか」が考えられますね。失敗のパターンがわかっているのに解決策を考えないのはただの怠慢か問題から逃げているかのどちらかです。本気で目標を達成したいのであれば、失敗から学び、同じ状況になったときに対処できるように予め考えておきましょう。問題点に気づき、改善する習慣が成功の習慣につながります。
2-9 日々やるべきことを続けられるようになる
「決めたことが続かない」という人がいますが、続ける仕組みを持っていなかったり、続ける練習をしていないことが多いですね。無意識で続けられるように少しずつトレーニングしましょう。やるべきことが続いたら、大きく結果がかわります。
『「続かない」を「続く」に変えるためのちょっとしたコツ』はこちら
2-10 期日までにやるべきことをできるようになる
「締め切りが守れない」「約束の時間に送れる」というのは、時間を逆算して考える習慣がないということですね。日々「〇時までに~をする」「明日までに~をする」などの小さな目標を立て、達成する習慣をつけていきましょう。それが大きな目標の達成につながっていきます。
2-11 やるべきことを自分で考えられるようになる
いつも誰かに依存していませんか?監督が考えてくれる。コーチが考えてくれる。確かにそれもありますが、自分のことは自分でまず考える習慣を身につけましょう。チームの全員が同じことを同じようにやればいいでしょうか?一人一人目指すものや課題が違っていませんか?全体の練習で足りないことは、自分のために自分で考えて自主的にやることが将来の自立への道です。
2-12 周りの人に感謝し、切磋琢磨できるようになる
一流のスポーツ選手で「自分だけ良ければいい」と考えている人はあまり見かけません。自分を支えてくれる周りの人への感謝の気持ちがとても強いですし、その気持ちをモチベーションにつなげています。「ライバルの〇〇さんがいたからここまで来られた」という発言もよく聞きますね。一人では成し遂げられないことも、周りの人と一緒に成し遂げていく。そんな心を作りましょう。
3.人間力が上がり応援される人になる
3-1 いつもご機嫌でいる
目の前にあることに対して気持ちよく前向きに取り組む、少しぐらい嫌なことがあってもすぐに切り替えられる、そういう人が高いパフォーマンスを発揮します。それは客観的に見た場合、いつもご機嫌に見える人なのです。ご機嫌な人は応援されやすいですね。
3-2 いつも笑顔でいる
楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔でいるから楽しくなるのです。ですから笑顔も楽しさも意識してトレーニングすれば作れるのです。苦しい練習中でも笑顔でいる。試合で良くない状況になっても笑顔でいる。そんな選手がいたら、みんなが苦しい時にその人の顔を見て元気を取り戻しそうですね。
3-3 周りの人に感謝し、それを言葉に出す
スポーツは一人では成り立ちません。たとえ個人競技であっても、相手が必要だったり、審判の方や記録員の方が必要です。そういう周りのすべての人たちにまずは感謝する気持ちが大切です。意識して周りを見るようにし、自分がどんな人のお世話になっているかを知ることで、感謝の気持ちが生まれます。感謝の気持ちが持てたら言葉に出しましょう。言葉で伝えることで、より良い関係性を築くことができ、それは結果に影響します。
3-4 周りの人が喜ぶことをする
感謝している相手が喜ぶようなことをしましょう。お世話になったらお返しをする。それがまた自分に返ってくる。いい循環を作っていくことが、成功の循環を作ります。
3-5 周りの人とのコミュニケーションがうまくいく
コミュニケーションがうまくいくことは、モチベーションアップにつながります。家族やチームメイトと険悪なムードになっている状態で、高いパフォーマンスが発揮できるでしょうか?あらゆることがうまくいっていることが、実力発揮につながるのです。あまり知られていないことですが、メンタルトレーニングで家族関係が良くなると競技の結果も良くなるのはよくあることです。
3-6 周りの人を応援する人になる
たとえ自分が試合に出られなくても、自分が怪我をしていても、周りの人を全力で応援できるようなメンタルを作りましょう。妬み・嫉みからは何もいいものは生まれません。たとえその場は苦しくても、人生全体を考えると必ずそれがいい経験となりいい結果につながっていきます。メンタルトレーニングで、自分という人間の『在り方』を育てるのです。
まとめ
スポーツにおいて結果を出すことを重視するならば、メンタルトレーニングを取り入れることが必須です。
なぜならば、
1.大事な場面で実力を発揮できるようになる
2.競技に対する態度や心構えが変わり上達が早くなる
3.人間力が上がり応援される人になる
からです。
技術練習やもちろんのこと、フィジカルトレーニングは今ややっていて当たり前です。プロテインもサプリメントもみんな飲んでいます。
そこで差をつけることは難しいのです。
ところが、
まだまだメンタルトレーニングに真剣に取り組む人は多くありません。
勝つためにどこで差をつけるか?
決めるのもやるのも「あなた」です。
まじめ・前向き・一生懸命が、もっと輝くように。