心理戦に勝つ。
他の選手が先に『いい記録』を出してプレッシャーをかけてくる中、
平常心で自分に集中する。
この能力の高さが勝負の分かれ目になります。
「平常心でいる」
「自分に集中する」
言うのは簡単ですが、これが本当に難しいからこそ、
世界のトップレベルの選手でもミスすることがあるのです。
スキーのジャンプ競技。
ジャンプ競技は一人ずつ順番に飛ぶわけですから、
他の選手のパフォーマンスに直接影響されることはないのですが、
自分より前に飛んだ選手の記録は、やはり気になります。
フィギュア・スケートや、陸上競技の跳躍・投擲競技と似ていますね。
直接リンク内やフィールド内で闘うわけではありませんが、
先に『いい記録』を出すと、
他の選手にプレッシャーをかけることができるのです。
この『心理戦』を制する選手が強いのです。
スキージャンプの小林陵侑選手が、
W杯で5試合を残して日本勢初の個人総合優勝を確定させました。
おめでとうございます!
しかも、びっくりするのは、
小林選手は昨シーズンまで一度も表彰台に立っていなかったこと。
いきなりの快挙です!
W杯は毎週のように試合があるのですが、
会場ごとにジャンプ台の形状が違います。
ジャンプ台の角度も長さも違うのです。
「統一されていない」ということにびっくりしますが、
ゴルフのコースがそれぞれに違うのと同じように、
自然相手の競技というのはそういうものなのかもしれませんね。
その様々に形状の違うジャンプ台に対応しようとすると、
知らず知らず自分のジャンプの形が狂ってしまうのだとか。
でも、小林選手は第2戦で初優勝してから、
1回目のジャンプでミスしても、
2回目ですぐに修正して「自分のジャンプ」ができているのだそうです。
素晴らしいですね。
他の選手が先に『いい記録』を出してプレッシャーをかけてくる中、
1回目のジャンプでミスしても自分のジャンプに集中し、
平常心で他人に惑わされずに修正する。
この能力が快進撃につながっていると思われます。
「いかに自分に集中するか」
やはりこの競技でもメンタルコントロールが大切ですね。
まじめ・前向き・一生懸命が、もっと輝くように。