「話をすることが大事。
その内容が正しいか正しくないかは置いておいて、
思っている内容を伝え合おう。」
ダン・カーター選手が監督の言葉として言っていました。
ダン・カーター選手は、ラグビーの元ニュージーランド代表のキャプテンでした。
素晴らしい選手です。
今は、日本の神戸製鋼のラグビーチームに所属しています。
彼の言葉には世界一のチームを率いていただけの重みがありますね。
日本人は、思っている内容を伝え合うということにあまり慣れていません。
子供の頃、たぶん幼稚園ぐらいまでは、
言いたいことをわあわあ言い合えているのに、
小学校に入学した頃から、授業中に、
「正しいことを言わなければならない」
という空気感の中で過ごすようになります。
自分もそうだった気がしますし、
子供たちもそのような空気感の中にいた気がします。
「どのように考えているか」
ではなく、
「正解かどうか」
が、常に求められている雰囲気があるのです。
当然のことながら、
「間違っていたら恥ずかしい。」
という思いが徐々に強くなり、
中学生ぐらいになるとほとんど発言しなくなります。
運動部も同じです。
監督の言うことが絶対であったり、
先輩の言うことに逆らってはいけなかったり、
「黙って言うとおりにする」
ということを求められ、それに慣れていきます。
それを乗り越えて、
とにかく自分の意見を言う。
思っている内容を伝え合う。
大事なことです。
言わなければ何を考え、何を思っているかわからないのですから。
「話すことが学びになり、学ぶことでチームが成長できる。」
この一言がすべてを物語っていますね。
さらに彼の素晴らしい点は、この発言です。
「グラウンド以外の場所で一緒にコーヒーを飲みながら
試合中にどんな状況が起こるかといった話もたくさんする。」
リラックスした状況で、試合のシュミレーションをするのですね。
グラウンド外だと、自分のことも他人のことも、
より客観的に見られそうな気がします。
コーヒーを飲みながら、テレビを観ているような感じで話します。
「今日のあの場面のあのプレーはどうだったかな?」
「僕は・・・・・・・と思ってあのプレーをしたんだ。」
「そうだったのか。僕は・・・・・・と思っていたんだ。」
「今度同じような場面になった時、
どういうプレーを選択すればいいだろう?」
「やっぱり僕は・・・・・・だな」
みたいな話をしょっちゅうしていたら、
どういう状況でも同じ考えでプレーできるようになりますね。
日常的なコミュニケーションの中にも、
試合に向けた脳内練習があるのです。
まじめ・前向き・一生懸命が、もっと輝くように。